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第6学年 社会の学習指導要領を比較

1. 目 標
【旧学習指導要領】
(1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めるようにするとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする。
(2) 日常生活にける政治の働きと我が国の政治の考え方及び我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解できるようにし、平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であることを自覚できるようにする。
(3) 社会的事象を具体的に調査し、地図や年表などの各種の基礎資料を効果的に活用し、調べたことを表現するとともに、社会的事象の意味をより広い視野から考える力を育てるようにする。
【現行学習指導要領】
(1) 国家・社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産について興味・関心と理解を深めるようにするとともに、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにする。
(2) 日常生活にける政治の働きと我が国の政治の考え方及び我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割を理解できるようにし、平和を願う日本人として世界の国々の人々と共に生きていくことが大切であることを自覚できるようにする。
(3) 社会的事象を具体的に調査するとともに、地図や地球儀、年表などの各種の基礎資料を効果的に活用し、社会的事象の意味をより広い視野から考える力、調べたことを表現する力を育てるようにする。
2. 内 容
【旧学習指導要領】
(1) 我が国の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財、資料などを活用して調べ、歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに、自分たちの生活の歴史的背景、我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。
ア 農耕の始まり、古墳について調べ、大和朝廷による国土の統一の様子が分かること。その際、神話・伝承を調べ、国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。
イ 大陸文化の摂取、大化の改新、大仏造営の様子、貴族の生活について調べ、天皇を中心とした政治が確立されたことや日本風の文化が起こったことが分かること。
ウ 源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦い、京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ、武士による政治が始まったことや室町文化が生まれたことが分かること。→(注) 新ではウとオに分かれた。
エ キリスト教の伝来、織田・豊臣の天下統一について調べ、戦国の世が統一されたことが分かること。
オ 江戸幕府の始まり、大名行列、鎖国、歌舞伎や浮世絵、国学や蘭学について調べ、身分制度が確立し武士による政治が安定したことや町人の文化が栄え新しい学問が起こったことが分かること。
カ 黒船の来航、明治維新、文明開化などについて調べ、廃藩置県や四民平等などの諸改革を行い、欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことが分かること。
キ 大日本帝国憲法の発布、日清・日露の戦争、条約改正、科学の発展などについて調べ、我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことが分かること。
ケ 日華事変、我が国にかかわる第二次世界大戦、日本国憲法の制定、オリンピックの開催などについて調べ、戦後我が国は民主的な国家として出発し、国民生活が向上し国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことが分かること。
(2) 我が国の政治の働きについて、次のことを調査したり資料を活用したりして調べ、国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること、現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。
イ 日本国憲法は、国家の思想、天皇の地位、国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていること。
(3) 世界の中の日本の役割について、次のことを調査したり地図や資料などを活用したりして調べ、外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であること、世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを考えるようにする。
ア 我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活の様子
イ 我が国の国際交流や国際協力の様子及び平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働き
【現行学習指導要領】
(1) 我が国の歴史上の主な事象について、人物の働きや代表的な文化遺産を中心に遺跡や文化財、資料などを活用して調べ、歴史を学ぶ意味を考えるようにするとともに、自分たちの生活の歴史的背景、我が国の歴史や先人の働きについて理解と関心を深めるようにする。
ア 狩猟・採集や農耕の生活、古墳について調べ、大和朝廷による国土の統一の様子が分かること。その際、神話・伝承を調べ、国の形成に関する考え方などに関心をもつこと。←(注) 「狩猟・採集の生活」(縄文時代)=追加
イ 大陸文化の摂取、大化の改新、大仏造営の様子、貴族の生活について調べ、天皇を中心とした政治が確立されたことや日本風の文化が起こったことが分かること。
ウ 源平の戦い、鎌倉幕府の始まり、元との戦いについて調べ、武士による政治が始まったことが分かること。←(注) 現行のウの一部
エ 京都の室町に幕府が置かれたころの代表的な建造物や絵画について調べ、室町文化が生まれたことが分かること。←(注) 現行のウの一部
オ キリスト教の伝来、織田・豊臣の天下統一、江戸幕府の始まり、参勤交代、鎖国について調べ、戦国の世が統一され、身分制度が確立し武士による政治が安定したことが分かること。
カ 歌舞伎や浮世絵、国学や蘭学について調べ、町人の文化が栄え新しい学問が起こったことが分かること。←(注) 現行のエとオを新のオとカに再編成
キ 黒船の来航、明治維新、文明開化などについて調べ、廃藩置県や四民平等などの諸改革を行い、欧米の文化を取り入れつつ近代化を進めたことが分かること。
ク 大日本帝国憲法の発布、日清・日露の戦争、条約改正、科学の発展などについて調べ、我が国の国力が充実し国際的地位が向上したことが分かること。
ケ 日華事変、我が国にかかわる第二次世界大戦、日本国憲法の制定、オリンピックの開催などについて調べ、戦後我が国は民主的な国家として出発し、国民生活が向上し国際社会の中で重要な役割を果たしてきたことが分かること。
(2) 我が国の政治の働きについて、次のことを調査したり資料を活用したりして調べ、国民主権と関連付けて政治は国民生活の安定と向上を図るために大切な働きをしていること、現在の我が国の民主政治は日本国憲法の基本的な考え方に基づいていることを考えるようにする。
ア 国民生活には地方公共団体や国の政治の働きが反映していること。
イ 日本国憲法は、国家の思想、天皇の地位、国民としての権利及び義務など国家や国民生活の基本を定めていること。
(3) 世界の中の日本の役割について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料などを活用したりして調べ、外国の人々と共に生きていくためには異なる文化や習慣を理解し合うことが大切であること、世界平和の大切さと我が国が世界において重要な役割を果たしていることを考えるようにする。
ア 我が国と経済や文化などの面でつながりが深い国の人々の生活の様子
イ 我が国の国際交流や国際協力の様子及び平和な国際社会の実現に努力している国際連合の働き
3. 内容の取扱い
【旧学習指導要領】
(1) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア 児童の興味・関心を重視し、取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど、精選して具体的に理解できるようにすること。
イ 取り上げる歴史的事象は、アからクに示す事項にとどめ、網羅的に取り上げないようにすること。
ウ 歴史学習全体を通して、我が国は長い歴史をもち文化や伝統をはぐくんできたこと、我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにすること。
エ アの「神話・伝承」については、古事記、日本書紀、風土記などの中から適切なものを取り上げること。
オ アからキまでについては、例えば、次に掲げる人物を取り上げ、人物の働きや代表的な文化遺産を通して学習できるように指導すること。
卑弥呼、聖徳太子、小野妹子、中大兄皇子、中臣鎌足、聖武天皇、行基、鑑真、藤原道長、紫式部、清少納言、平清盛、源頼朝、源義経、北条時宗、足利義満、足利義政、雪舟、ザビエル、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、徳川家光、近松門左衛門、歌川(安藤)広重、本居宣長、杉田玄白、伊能忠敬、ペリー、勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、明治天皇、福沢諭吉、大隈重信、板垣退助、伊藤博文、陸奥宗光、東郷平八郎、小村寿太郎、野口英世
カ ウの「建造物や絵画」、オの「歌舞伎や浮世絵」及び「国学や蘭学」については、それぞれいずれかを選択して取り上げることができること。
キ クについては、取り上げる歴史的事象を精選するとともに、その指導に当たっては、児童の発達段階を考慮し社会的背景にいたずらに深入りしないよう配慮すること。 (2) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア 政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には、国民の祝日に関心をもち、その意義を考えさせるよう配慮すること。
イ 国会などの議会政治や選挙の意味、租税の役割などについても扱うようにすること。その際、政治の制度や機構に深入りしないよう配慮すること。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については、身近な公共施設の建設、地域の開発、、災害復旧の取組などの中から選択して取り上げ、具体的に調べられるようにすること。
エ イの「天皇の地位」については、日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連も図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また、イの「国民としての権利及び義務」については、参政権、納税の義務などを取り上げること。
(3) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては、我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際、それらの中から児童が一か国を選択して調べるように配慮し、様々な外国の文化を具体的に理解できるようにするとともに、我が国や諸外国の文化や伝統を尊重しようとする態度を養うこと。
イ イの「国際交流」についてはスポーツ、文化の中から、「国際協力」については教育、医学、農業などの分野で世界に貢献している事例の中から、それぞれ選択して取り上げ、国際社会における我が国の役割を具体的に考えるようにすること。
ウ イの「国際連合の働き」については、網羅的、抽象的な扱いにならないよう、ユニセフやユネスコの身近な活動を取り上げて具体的に調べるようにすること。
エ ア及びイについては、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。
【現行学習指導要領】
(1) 内容の(1)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア 児童の興味・関心を重視し、取り上げる人物や文化遺産の重点の置き方に工夫を加えるなど、精選して具体的に理解できるようにすること。その際、ケの指導に当たっては、児童の発達の段階を考慮すること。
イ 歴史学習全体を通して、我が国は長い歴史をもち伝統や文化をはぐくんできたこと、我が国の歴史は政治の中心地や世の中の様子などによって幾つかの時期に分けられることに気付くようにすること。
ウ アの「神話・伝承」については、古事記、日本書紀、風土記などの中から適切なものを取り上げること。
エ アからクまでについては、例えば、次に掲げる人物を取り上げ、人物の働きを通して学習できるように指導すること。
卑弥呼、聖徳太子、小野妹子、中大兄皇子、中臣鎌足、聖武天皇、行基、鑑真、藤原道長、紫式部、清少納言、平清盛、源頼朝、源義経、北条時宗、足利義満、足利義政、雪舟、ザビエル、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、徳川家光、近松門左衛門、歌川(安藤)広重、本居宣長、杉田玄白、伊能忠敬、ペリー、勝海舟、西郷隆盛、大久保利通、木戸孝允、明治天皇、福沢諭吉、大隈重信、板垣退助、伊藤博文、陸奥宗光、東郷平八郎、小村寿太郎、野口英世
オ アからケまでについては、例えば、国宝、重要文化財に指定されているものや、そのうち世界文化遺産に登録されているものなどを取り上げ、我が国の代表的な文化遺産を通して学習できるように配慮すること。
(2) 内容の(2)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア 政治の働きと国民生活との関係を具体的に指導する際には、各々の国民の祝日に関心をもち、その意義を考えさせるよう配慮すること。
イ 国会などの議会政治や選挙の意味、国会と内閣と裁判所の三権相互の関連、国民の司法参加、租税の役割などについても扱うようにすること。
ウ アの「地方公共団体や国の政治の働き」については、社会保障、災害復旧の取組、地域の開発などの中から選択して取り上げ、具体的に調べられるようにすること。
エ イの「天皇の地位」については、日本国憲法に定める天皇の国事に関する行為など児童に理解しやすい具体的な事項を取り上げ、歴史に関する学習との関連も図りながら、天皇についての理解と敬愛の念を深めるようにすること。また、イの「国民としての権利及び義務」については、参政権、納税の義務などを取り上げること。
(3) 内容の(3)については、次のとおり取り扱うものとする。
ア アについては、我が国とつながりが深い国から数か国を取り上げること。その際、それらの中から児童が一か国を選択して調べるように配慮し、様々な外国の文化を具体的に理解できるようにするとともに、我が国や諸外国の伝統や文化を尊重しようとする態度を養うこと。
イ イの「国際交流」についてはスポーツ、文化の中から、「国際協力」については教育、医学、農業などの分野で世界に貢献している事例の中から、それぞれ選択して取り上げ、国際社会における我が国の役割を具体的に考えるようにすること。
ウ イの「国際連合の働き」については、網羅的、抽象的な扱いにならないよう、ユニセフやユネスコの身近な活動を取り上げて具体的に調べるようにすること。
エ ア及びイについては、我が国の国旗と国歌の意義を理解させ、これを尊重する態度を育てるとともに、諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるよう配慮すること。

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