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幼稚園児と小学1年生(雑感)

 幼稚園児と小学生の大きな違いについて,運動会のかけっこでわかることが1つあります。
 幼稚園児は自分が一番でもビリでも笑顔で走っていますが、小学校に入ってからの徒競走では、一番は笑顔で走り、ビリは悲壮感のある顔で走ることが多いのです。
おそらく、他人との比較、つまり「競争」を意識することになるのかもしれません。
そうすると、競争は「悪」という教育的観点から、同じようなタイムで走る生徒同士で組を作り、着順が僅差になるようにしたり、皆で棒を持って走り、着順さえつけないという異様な運動会が出現します。

 さて、同様に、小学校の低学年の親御さんからよく相談されることは、「うちの子はドリルの問題文の意味が理解できないのです。」ということです。
 これも、前述のかけっこと同様に幼稚園児と小学生では大きな違いがあると思います。
幼稚園まで日常生活の中で口頭でしか物事のやり取りをしていませんから、口頭で質問されれば、口頭で解答できるはずです。初めて経験する活字で聞かれる問題文が何を問いかけているかが理解できないのは当然ではないでしょうか。
 つまり、「活字で問われている意味」を指導されて初めて「ああ、そうなんだ。」「こうやって答えればいいんだ。」となるわけで、文章題が弱いとか読解力がないと嘆く前に、丁寧かつ忍耐をもって低学年のころに指導・訓練すると高学年になって親子とも楽になります。

 それから、「文章題が弱い、読解ができない、作文が上手に書けない。」などの否定語を子どもの前で言わないことです。
 私は言語学者でも専門家でもありませんが、「聞いたことない言葉は、話せない。」「意味を知らない言葉は、その意味を理解できない。」ということから考えても、何事も自然に身につくことはないはずです。
 お笑いのギャグなどはすぐに覚えるわけですから、理解力は十分にあると思って子どもに接することが大切ではないでしょうか。

(2011.02.16)あまのじゃく

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