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第5学年及び第6学年 国語の学習指導要領を比較

1. 目 標
【旧学習指導要領】
(1) 目的や意図に応じ、考えた事や伝えたい事などを的確に話すことや相手の意図をつかみながら聞くことができるようにするとともに、計画的に話し合おうとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ、考えた事などを筋道を立てて文章に書くことができるようにするとともに、効果的に表現しようとする態度を育てる。
(3) 目的に応じ、内容や要旨を把握しながら読むことができるようにするとともに、読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。
【現行学習指導要領】
(1) 目的や意図に応じ、考えた事や伝えたい事などについて、的確に話す能力、相手の意図をつかみながら聞く能力、計画的に話し合う能力を身に付けさせるとともに、適切に話したり聞いたりしようとする態度を育てる。
(2) 目的や意図に応じ、考えた事などを文章全体の構成の効果を考えて文章に書く能力を身に付けさせるとともに、適切に書こうとする態度を育てる。
(3) 目的に応じ、内容や要旨をとらえながら読む能力を付けさせるとともに、読書を通して考えを広げたり深めたりしようとする態度を育てる。
2. 内 容
A 話すこと・聞くこと
【旧学習指導要領】
(1) 話すこと・聞くことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 考えた事や自分の意図が分かるように話の組立てを工夫しながら、目的や場に応じた適切な言葉遣いでで話すこと。
イ 話し手の意図を考えながら話の内容を聞くこと。
ウ 自分の立場や意図をはっきりさせながら、計画的に話し合うこと。
【現行学習指導要領】
(1) 話すこと・聞くことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 身近な事や経験した事などから話題を決め、必要な事柄を思い出すこと。
イ 相手に応じて、話す事柄を順序立て、丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて話すこと。
ウ 姿勢や口形、声の大きさや速さなどに注意して、はっきりとした発音で話すこと。
エ 大事な事を落とさないようにしながら、興味をもって聞くこと。
オ 互いの話を集中して聞き、話題に沿って話し合うこと。
(2) (1)に示す事項については、例えば、次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 事物の説明や経験の報告をしたり、それらを聞いて感想を述べたりすること。
イ 訊ねたり応答したり、グループで話し合って考えを一つにまとめたりすること。
ウ 場面に合わせてあいさつをしたり、必要な事について身近な人と連絡をし合ったりすること。
エ 知らせたい事などについて身近な人に紹介したり、それを聞いたりすること。
B 書くこと
【旧学習指導要領】
(1) 書くことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 目的や意図に応じて、自分の考えを効果的に書くこと。
イ 全体を見通して、書く必要のある事柄を整理すること。
ウ 自分の考えを的確に表現するため、文章全体の組立ての効果を考えること。
エ 事実と感想、意見などとを区別するとともに、目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること。
オ 表現の効果などについて確かめたり工夫したりすること。
【現行学習指導要領】
(1) 書くことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 経験した事や想像した事などから書く事を決め、書こうとする題材に必要な事柄を集めること。
イ 自分の考えが明確になるように、事柄の順序に沿って簡単な構成を考えること。
ウ 語と語や文と文との続き方に注意しながら、つながりのある文や文章を書くこと。
エ 文章を読み返す習慣を付けるとともに、間違いなどに気付き、正すこと。
オ 書いたものを読みあい、よいところを見付けて感想を伝え合うこと。
(2) (1)に示す事項については、例えば、次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 想像した事などを文章に書くこと。
イ 経験した事を報告する文章や観察した事を記録する文章などを書くこと。
ウ 身近な事物を簡単に説明する文章などを書くこと。
エ 紹介したい事をメモにまとめたり、文章に書いたりすること。
オ 伝えたい事を簡単な手紙に書くこと。
C 読むこと
【旧学習指導要領】
(1) 読むことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 自分の考えを広げたり深めたりするために、必要な図書資料を選んで読むこと。
イ 目的や意図に応じて、文章の内容を的確に押さえながら要旨をとらえること。
ウ 登場人物の心情や場面についての描写など、優れた叙述を味わいながら読むこと。
エ 書かれている内容について事象と感想、意見の関係を押さえ、自分の考えを明確にしながら読むこと。
オ 必要な情報を獲るために、効果的な読み方を工夫すること。
【現行学習指導要領】
(1) 読むことの能力を育てるため、次の事項について指導する。
ア 語のまとまりや言葉の響きなどに気を突けて音読すること。
イ 時間的な順序や事柄の順序などを考えながら内容の大体を読むこと。
ウ 場面の様子について、登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと。
エ 文章の中の大事な言葉や文を書き抜くこと。
オ 文章の内容と自分の経験とを結び付けて、自分の思いや考えをまとめ、発表し合うこと。
カ 楽しんだり知識を得たりするために、本や文章を選んで読むこと。
(2) (1)に示す事項については、例えば、次のような言語活動を通して指導するものとする。
ア 本や文章を楽しんだり、想像を広げたりしながら読むこと。
イ 物語の読み聞かせを聞いたり、物語を演じたりすること。
ウ 事物の仕組みなどについて説明した本や文章を読むこと。
エ 物語や、科学的なことについて書いた本や文章を読んで、感想を書くこと。
オ 読んだ本について、好きなところを紹介すること。
〔言語事項〕
【旧学習指導要領】
(1) 「A 話すこと・聞くこと」、「B 書くこと」、「C 読むこと」の指導を通して、次の事項について指導する。
ア 文字に関する事項
(ア) 第5学年及び第6学年の各学年においては、学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また、当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き、文や文章の中で使うとともに、当該学年に配当されている漢字を漸次書き、文や文章の中で使うこと。
(イ) 仮名及び漢字の由来、特質などについて理解すること。
イ 表記に関する事項
(ア) 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
ウ 語句に関する事項
(ア) 語句に関する類別の理解を深めること。
(イ) 語句の構成、変化などについての理解を深め、また、語句の由来などに関心をもつこと。
(ウ) 表現したり理解したりするために必要な語句について、辞書を利用して調べる習慣を付けること。
(エ) 語感、言葉の使い方に対する感覚などについて感心をもつこと。
エ 文語調の文章に関する事項
(ア) 易しい文語調の文章を音読し、文語の調子に親しむこと。
オ 文及び文章の構成に関する事項
(ア) 文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。
カ 言葉遣いに関する事項
(ア) 日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
(イ) 共通語と方言との違いを理解し、また、必要に応じて共通語で話すこと。
(2) 文字に関する事項の指導のうち、書写については、次の事項を指導する。
ア 書写に関する事項
(ア) 文字の形、大きさ、配列などを理解して、読みやすく書くこと。
(イ) 毛筆を使用して、点画の筆使いや文字の組立て方を理解しながら、文字の形を整えて書くこと。
(ウ) 毛筆を使用して、字配りよく書くこと。
3. 内容の取扱い
【旧学習指導要領】
(1) 内容の「A 話すこと・聞くこと」、「B 書くこと」、「C 読むこと」に示す事項の指導は、例えば次のような言語活動を通して指導するものとする。
「A 話すこと・聞くこと」
自分の考えを資料を提示しながらスピーチをすること、目的意識をもって友達の考えを聞くこと、調べた事やまとめた事を話し合うことなど
「B 書くこと」
礼状や依頼状などの手紙を書くこと、自分の課題について調べてまとまった文章に表すこと、経験した事をまとまった記録や報告にすることなど
「C 読むこと」
読書発表会を行うこと、自分の課題を解決するために図鑑や事典などを活用して必要な乗法を読むことなど
 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕
【現行学習指導要領】
(1) 「A 話すこと・聞くこと」、「B 書くこと」、「C 読むこと」の指導を通して、次の事項について指導する。
ア 伝統的な言語文化に関する事項
(ア) 親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章について、内容の大体を知り、音読すること。
(イ) 古典について解説した文章を読み、昔の人のものの見方や感じ方を知ること。
イ 言葉の特徴やきまりに関する事項
(ア) 話し言葉と書き言葉との違いに気付くこと。
(イ) 時間の経過による言葉の変化や世代による言葉の違いに気付くこと。
(ウ) 送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書くこと。
(エ) 語句の構成、変化などについての理解を深め、また、語句の由来などに関心をもつこと。
(オ) 文章の中での語句と語句との関係を理解すること。
(カ) 語感、言葉の使い方に対する感覚などについて感心をもつこと。
(キ) 文や文章にはいろいろな構成があることについて理解すること。
(ク) 日常よく使われる敬語の使い方に慣れること。
(ケ) 比喩や反復などの表現の工夫に気付くこと。
ウ 文字に関する事項
(ア) 第5学年及び第6学年の各学年においては、学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また、当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き、文や文章の中で使うとともに、当該学年に配当されている漢字を漸次書き、文や文章の中で使うこと。
(イ) 仮名及び漢字の由来、特質などについて理解すること。
(2) 書写に関する次の事項について指導する。
ア 用紙全体との関係に注意し、文字の大きさや配列などを決めるとともに、書く早さを意識して書くこと。
イ 目的に応じて使用する筆記具を選び、その特徴を生かして書くこと。
ウ 毛筆を使用して、穂先の動きと点画のつながりを意識して書くこと。

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