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教科書改訂で理科の授業の内容はどのように変わりますか?

大きな変化としては、これまでの1分野上下、2分野上下の4分冊方式から、学年別の3分冊方式に変わることが挙げられます。学年の段階に応じたスパイラル(反復)学習による基礎的・基本的な知識・技能の定着、という大義が掲げられており、これは数学の教科書改訂における方針と同様のものです。そのため、中には算数や数学の要素を掲載している教科書もあるほどです。

理系教科は今回の改訂において特に変化の大きい分野になります。理科では教科書のボリュームが3年間で45%増と、非常に大きく増加しています。その中で単元にも「イオン」、「遺伝」、「進化」といった、「ゆとり教育」で一度はなくなった分野が復活しています。この改訂の根底には、理科教育を通じて自然界の仕組みについて学び、「科学的な思考力・表現力」を育成するという理念があります。

「教科書準拠」の理科の参考書を使うことにはどのようなメリットがありますか?

数学でも同様のようですが、理科でも教科書の内容が広く深くなっていることで、教科書をしっかり理解していればある程度の学力が身に付くようになっていると言えます。ならば学校の授業さえしっかり聞いていれば良いように聞こえますが、中学校では生徒の「自発的」な学習が要求されます。ある程度は自分で調べたり、クラスメートと相談するなどして、自分の力で理解することが必要です。そこが小学校とは大きく異なる点です。

こうした中学校の学習において、授業ではカバーしきれない教科書の内容をしっかり家で学習するためにも、授業内容を理解して積極的に参加するためにも、教科書準拠の教材は最適なんです。

中学教育における理科の勉強で、ポイントとなるものはどこにあるでしょう?

中学校は、高校受験から大学進学までを見据えた準備を行う上でも重要な時期と考えられます。

理科には、覚えればいい部分と、基礎から積み上げなければならない部分があります。覚える部分に関しては取り組みやすいと思いますが、積み上げ部分は基礎がしっかりしていないと理解できませんし、次のステップへ進むこともできなくなります。

暗記だけに頼るのではなく、なぜそうなったのかまで突き詰めて理解できることが必要になります。中学教育の基本はなんといっても教科書ですから、どうか皆さんも学校の教科書を大切にしていただきたいと思います。

中学生へ理科の勉強に関してアドバイスはありますか?

中学生は自発的に学習の大切さに気づく時期でもあります。

理科に限ったことではないと思いますが、授業を中心にした学校生活を「楽しむ」には、まずいろんなことに興味を持つことです。興味のあることは長続きするでしょうし、自発的に調べたいという気持ちにもなるでしょう。授業や実験、観察にも積極的に取り組んで、いろんなことに興味・関心を持って接していただきたいです。とにかく理科という教科を好きになって、楽しむことが一番の近道ではないでしょうか。私たちもそれを目標に、教材作りをしています。

文理では、理科の教材を作る際に、どのような点に注意していますか?

受験や日常学習など、使う人の目的に応じて役立てられる教材でありたいと思っています。問題は分かりやすく、学習効率の良い「良問」の作り方をいつも考えています。長年の経験が詰まっているのが文理の教材の強みでもありますから、ぜひ信頼して、教科書とともに大切に使っていただきたいですね。


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