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教育ママゴンVSモンスターペアレント(雑感)

モンスターペアレント私の学生時代に「教育ママゴン」という言葉がありました。
それは、「偏差値教育」の真っ只中の時代に「勉強しなさい!勉強しなさい!」とわが子に吠える母親達の総称です。

出現の背景には、その時代の母親達の多くが戦中・戦後世代で、自分達が「戦争」の犠牲となり「青春がなかった世代」であり、勉強したくとも出来なかったことに加えて、戦後の国の復興過程で「学歴=富」が約束されるような風潮があり、わが子にかける想いが強かったからだろうと推測します。

片や、現在のモンスターペアレントは母親だけでなく父親にも当てはまり、「勉強しなさい!」というわが子へ激励ではなく、わが子かわいさに周りにゲキを飛ばしているものすごい親を指し示すらしいです。心当たりはありませんか。

私は、過去に数千人の保護者と接してきました。その中で、教育ママゴンは多数相対しましたが、モンスターといえるのは2組程度だったでしょうか。
保護者の本当の要望は2割程度、8割はただのわがままでした。

わが子のことになると後先関係なくなって感情的に言行に走ってしまうのが親というものです。
ですから、会ってじっくりお話しをすると、私の考えを理解していただき、自分が言い過ぎたと反省される保護者が多かったです。

ただ、保護者をうるさいと感じ、宿敵ととらえる教師がいると話がこじれます。説明責任を放棄する教師がモンスターペアレントを出現させると言ってもいいかもしれません。

教師には保護者相手のタフな交渉術が求められますが、そのタフさが現代の多くの教師にはなくなり、「あの親には言っても無駄。」では。  

私にとっての親御さんは、子どもの一時期を共に愛情をもって育てる「同志」でした。そう思ってコミュニケーションをとっていました。お互いに非難し合っても事が先に進みませんから。

「鬼子母神」は出産や育児の神様として有名ですが、そうなる前は「モンスターペアレント」であったことに間違いはなく、神様でも自分の子どもが一番愛おしいわけです。
親は、最後には、わが子を「社会に役立つ人間」として自立させる義務があるのです。
その事を念頭に置いた教育ママゴンやモンスターペアレントであれば、誰が何と言おうが、いいのではないでしょうか。

(2008.02.20)あまのじゃく


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